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表紙とコラム Vol.164
天空の城 越前大野城(福井県大野市)

あるテレビ番組で大人のコミュニケーションのとり方を様々な角度から検証していました。
それによると女性が会話の糸口を趣味や話題の商品などに見出して親しくなっていくのに対して、男性はギャグの連発で座を盛り上げようとする傾向が強いのだそうです。それも年齢が上がるにつれて・・・

オヤジギャグとはよく言ったものだと感心しますが、それが世の中の流行から取り残された男性の捨て身の一発だとしたら何だかせつなくなってきます。
そもそもオヤジギャグという言い方を昔はしませんでした。安直なイメージはなく、掛詞、地口などと呼ばれ、言葉遊びとして親しまれていたのです。少なくともつまらないといって揶揄されることはなかったでしょう。

考えてみれば正月のおせち料理はオヤジギャグのオンパレードといえます。
「よろこぶ」から昆布、「マメに働く」から黒豆などおせちの重箱にはありったけの駄洒落が詰め込まれているのです。かつては家長がそれらをひとつひとつ箸でとり、解説を加えていたといいます。そんな一言一句には大人の男の威厳が漂っていたことでしょう。

現代の男たちも、おせち料理を前に日頃のオヤジギャグで培ったコミュニケーション術を発揮すれば良いのです。ただしそこに深みがなければ、けっきょく軽薄なギャグになってしまうので、心してかかる必要がありますが・・・

天空の城 越前大野城(福井県大野市)
1575年に築城された大野城の石垣は、野面積みと呼ばれる、横に寝かせた大きな石を横に押し込む工法で、貴重な史跡だそうです。
江戸時代に消失した城は、1795年に再建され、1968年に現在の姿になりました。雲海に浮かぶ幻想的な姿は、晩秋から春に掛けての気象条件が揃ったときしか見ることができません。


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