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表紙とコラム Vol.156
JR金沢駅 鼓門(石川県金沢市)

この季節、少し山間(やまあい)に入るとウグイスの美しい声が聞こえてきて心が弾みます。快い音色に辺りを散策中の人も何やら楽しげです。
とはいえ美声の代名詞のウグイスも春先は音程やリズムを外しがち・・・「これぞ初鳴き」と思わせるようなさえずりを獲得するまでには相当な訓練があったのでしょう。

これと似たような話が放送の世界にもあると聞きました。新人のアナウンサーが実際のオンエアで第一声を放つことを「初鳴き」というのだそうです。
発声の基本や間合いの取り方などを教わって独り立ちするまでの見習い期間はおよそ3か月・・・
「初鳴き」は本人以外の関係者にとっても待ちに待った瞬間なのにちがいありません。

しかしそんな「初鳴き」という言葉が近年、あまり聞かれなくなっているのだといいます。
背景にあるのは人不足。 放送局といえども新人研修に専任のスタッフをあてるほどの余裕がなくなり、結果として即戦力に頼らざるを得なくなっているらしいのです。 これでは「初鳴き」などという風流な言葉が出て来るわけがありません。
最近は経験者を採用し入社初日からマイクに向かわせることも多いのだとか・・ 完成度は高いかもしれませんが、これではどこのチャンネルも似たような感じになってしまうことでしょう。

新人の成長に期待して、ひたすら「初鳴き」を待つ姿勢が放送局側に求められているような気がします。

大安禅寺(福井県福井市)
福井市の大安禅寺は、第4代福井藩主の松平光通が建てた臨済宗の寺で、歴代の福井藩主の菩提寺です。歴代藩主の墓所は「千畳敷」と呼ばれ、墓石の中には高さ3mを越す大きなものもあります。境内には花菖蒲園があり、毎年綺麗に咲き誇ります。

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