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表紙とコラム Vol.124
菅沼合掌造り集落(富山県南砺市)

「やってみせ、言って聞かせて、ほめてやらねば人は動かじ」
有名な山本五十六の言葉ですが、我が身を振り返れば部下に対してこれほどきめ細やかな指導をしてきたか、まったく自信がありません。

そもそも私がまだ新人だった頃、「仕事は先輩の背中を見て覚えろ」というのが普通でした。その教えの通り、先輩たちは慌ただしく動き回るだけで、とくに教育係がついてくれるわけでもありません。
正直「こんな状態がいつまで続くのか」と不安を覚えたものですが、考えてみれば入社早々の人間がすぐに利益を生み出せるはずもなく、やるせない日々は何もできない自分を知る良い機会だったと今はありがたく思っています。

さて、夏休みを利用した大学生のインターンシップ(就業体験)が終盤にかかりました。
企業繁栄のバロメーターは若者たちの支持とばかり、今はどこもインターンシップ受け入れに積極的ですが、中には若い世代の評判を狙って明るさや楽しさばかりをPRしようとしているところもあるようです。そんな企業では学生につきっきりで手取り足取りだと聞きます。
けれども職場というのはけっしてそんな和気あいあいとした要素ばかりではないはず・・プロの世界の厳しさ、重苦しさも見せなければ意味がないのではないでしょうか。

手本を示し、説明し、評価を与えるという山本五十六型の教育は、自らの無力さに気づき職業人としての覚悟ができた相手に初めて適用されるのです。

菅沼合掌造り集落(富山県南砺市)
合掌造りの菅沼集落は、同じ富山県の相倉集落と岐阜県の白川郷と共に世界遺産に登録されています。 庄川右岸のわずかな台地に佇む菅沼集落は3つの中では一番小さな集落ですが、すぐ横には合掌造りコテージの宿泊施設「合掌の里」もあり、五箇山の雰囲気を満喫できます。

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