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表紙とコラム Vol.43
波の花(輪島市)

立冬が過ぎても今年の金沢は澄み切った快晴の日がしばらく続きました。 東京からやって来た知人は毎日観光三昧、カニ漁解禁のタイミングとも重 なりすこぶるご機嫌で、帰り際には「冬は金沢に住みたいね」などと繰り 返したものでした。

しかし日本海の幸はともかくこの時期、天気までもがいつも旅人の味方を するとは限りません。 やはり当地の冬につきものといえば農灰色の時雨空と突風、雷、つかの間 の青空・・

初めてこの地にやって来る人はたいがいそんな変わりやすい天候に目を丸 くします。

「北陸の天気予報は冬になると気象のデパート、曇り時々雨か雪、一時晴 れで雷を伴うなんていうのがざら、いっそのこと今日も何でもありの天気 でしょう、と言いたくなるよ」 そう口にして笑うのは地元ラジオ局のアナウンサーです。 冬場にオンエアする気象情報は原稿が長過ぎて早口にならないと放送時間 内に収まらないのだとか。うらうらとした陽射しに包まれる冬の太平洋側 からは想像もできない厳しさを天気予報は示しているのです。

さて、知人を見送った数日後から金沢は季節風が強まりあちらこちらで雷 鳴が響くようになりました。天気予報は毎日驚くほどの情報量です。 アナウンサーを早口にさせてしまう冬の空、というのも北陸の風情のひと つでしょうか。

波の花(輪島市)
波の花は能登の冬の風物詩として知られています。波の花とは、冬の寒くて波の激しい時、岩に叩きつけられた海水が白い泡になったものです。 海中の植物性プランクトンの粘液が、荒波にもまれて白い泡になるそうです。 見ごろは11月下旬から2月下旬くらいまでです。寒くて海の荒れている時が良いでしょう。

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