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表紙とコラム Vol.37
總持寺祖院(門前町)

漢字というのはうまく出来ているものだなと感心することがあります。

先日、FM局の番組に出演していたプロの探偵が「女性からの浮気調査の依頼は大部 分が思い込みで結果はシロと出ることが多い」などと語っていました。それに対して 男性側から持ち込まれる相談はかなりの確率でクロなのだそうです。 女の直感などと言われますが、意外とあてにならないものなのかもしれません。なる ほど妄想という言葉に女という漢字が含まれているのもうなずけます。

漢字の話はもうひとつ・・・ 今月金沢で開かれたある講演会で作家の五木寛之氏が 「情報の〝情〟は心を意味している。心の視点を忘れないで欲しい」と呼びかけてい ました。いわれてみれば、たしかに情という漢字には心を示すりっしんべんがありま す。 私たちは情報という言葉を普段いとも簡単に口にしていますが、何ら心のこもってい ないメッセージのやりとりをそう呼んでいることが少なくありません。 正しい情報化社会とは何なのか・・ そんなことを漢字が教えてくれます。

心の視点を忘れたいいかげんな情報がもたらすもの、それは妄想・・ この場合、女 も男も関係ありません。

總持寺祖院(門前町)
福井県の永平寺とともに曹洞宗の僧侶を育成する道場です。1321年、瑩山紹瑾禅師によって開創されました。 その後全国に末寺16000余を数えるに至りましたが、明治31年火災により七堂伽藍の大部分を焼失しました。 現在は神奈川県横浜鶴見に布教伝道の中心を移しましたが、總持寺祖院として隆盛時の面影を残しています。

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