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表紙とコラム Vol.207
川北まつり(石川県川北町)
川北まつり(石川県川北町)
昭和61年から始まった「川北まつり」は、「手取の火まつり」と呼ばれ、 手取川の河川敷の会場に作られた高さ46mの大かがり火が夏の夜空を赤く染めます。 虫送り太鼓や送り火の後、クライマックスは石川県最大の花火大会に移ります。尺玉から2000連発の乱れ打ちなど、2万発の花火が打ち上げられます。

若い頃、"行きつけ"、"常連客"という言葉にとても憧れました。 上司の「私の行きつけの店に行こう」という何気ないセリフに大人の格好良さを感じました。

よし!自分も...と、雰囲気の良さそうな店を選びカウンターに座るのですが、 話しかけるキッカケに悩み、話す内容にとまどい、結局、さっさと食べて飲んで会計。 人懐っこく、インパクトが強い人は、初めてでも堂々と会話して、ニ度目で「あら、この前もありがとう」と店主に言わせる...、羨ましい限りです。

ところで、店にとって常連客は勿論、ありがたい存在ですが、頼り切ると店がつぶれる、という事をよく聞きます。
常連が多数を占める店では、新規客が入り辛い空間が出来ているケースが多々あり、どんな美味しい料理を提供されても、 常連客同士の会話が盛り上がり、そのうち店主も交わって、気付いたら一人黙々と飲んで食べている。 また常連客だけがサービスの料理を食べ、「これ美味いなあ~」などと話している。疎外感が半端なく、もう行かない、いや、行けません。

逆に新規客を常連客に次々と変える店は、例えば「おー、○○さん、いらっしゃいませ。 いつもどうも」と新規客が座るカウンターの横へ通す。「こちらのお客様、美味し~いものを求めて金沢に来たんですって。 食通の○○さん、教えてあげてね~」など、客同士を一体化させる雰囲気があります。 常連客も決して、傲慢な態度をとらず、店員に馴れ馴れしくありません。

喫茶店、定食屋からBar、小料理へと、歳を重ねる毎に、行きつけの傾向も変わりましたが、 自分を名前で呼んでもらい、気を使わず、心が通じ合うという、行きつけに求める条件は変わりません。 そして常連客こそお店の一番の応援団であるべき、そう思っています。

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