平成も残すところ、あと１か月となりました。 先日の、平成に関する世論調査で、時代を代表するスポーツ選手は断トツでイチロー元選手でした。 現役生活27年間の輝かしい足跡からすれば当然のことと言えます。

彼は記録の節目に、数々の名言を残しています。 偉業達成の誇りより、そこにたどり着くまでの苦労の話題が多いのですが、 中でも「自分が全く予想しない球が来たときにどう対応するかが大事。
試合では打ちたい球は来ない。好きな球を待っていたのでは終わってしまう。」という言葉が個人的には一番印象的です。 内角に食い込む球にバットをへし折られ、駆け引きに読み負けして凡打に終わる…。 数々の屈辱と向き合ってきたからこそ語れる言葉なのでしょう。

少し前に、ある難関大進学塾の講師が「独学だとどうしても得意分野の問題を中心に解く傾向があるので、 学校に通い無差別に配布される問題を解いたほうが身になる」と話してたのを思い出しました。
本番では予測できる問題など、ほとんどなく、日頃、慣れない問題と向き合い葛藤することが真の実力を養うという点で、 レベルは違いますが、イチロー元選手の名言と共通します。

我々は仕事でも日常生活でも、自分の都合の良いように何でもカスタマイズしてしまいます。 良く言えば生活の知恵なのですが、悪く言えば甘えとも言えます。 自分がその甘えに陥っていることを真正面から受け止められなければ、群を抜くことなど出来ないでしょう。

人望がないから自分は監督には向かない...。 彼を慕っている若手選手達を見ていると、それは簡単に否定できます。 来たる新しい時代に、イチロー監督が育てたスター選手の誕生をぜひ期待したいものです。