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表紙とコラム Vol.180
金沢湯涌江戸村(石川県金沢市)

今年も春の高校野球では連日熱戦が繰り広げられました。
高校野球ではワンチャンスから流れが大きく変わることも多く、終盤からの大逆転劇も少なくありません。
そんなとき翌日のテレビや新聞では「土壇場の大逆転!」という文字が踊ります。

そもそも「土壇場」とは土を盛って築いた壇の場所のことで、江戸時代には絞首刑の執行に罪人を横たわらせたことから、どうにもならない最後の場面として使われるようになったそうです。
劣勢ながら勝利を信じて戦い抜いた球児の熱意は、処刑寸前に無実が証明された侍の志に通ずるものがあるでしょうか。

ところで、予定を直前にキャンセルすることを「ドタキャン」といいますが、これは土壇場のキャンセルを略した言葉です。
「ドタキャンしちゃった~」「ドタキャンされた~」と日常的に使用されていますが、私はこの言葉を聞くと予定変更が安易に行われたように聞こえてなりません。
「土壇場」本来の意味を知れば、ドタキャンには決死の覚悟、断腸の思いを持って臨んでほしい気がします。

金沢湯涌江戸村(石川県金沢市)
『金沢の奥座敷』 と称される湯涌温泉の自然の中に、江戸時代の武家屋敷や民家などの建物を集めて公開しています。
金沢だけでなく、能登や福井県から移設された建物もあり、その全てが、国や石川県、金沢市の有形文化財になっています。
休日にはイベントもあり、昔の文化に触れてチョットしたタイムスリップを味わえます。

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