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表紙とコラム Vol.121
大乗寺丘陵公園(金沢市)

悲惨な事件や不慮の事故などのニュースを見ていると、犠牲者が生前に送った携帯電話のメールを家族や知人が涙ぐんで見つめているシーンがよく出てきます。
かつては偲び草といえば故人が書き残した手紙などが一般的でしたが、書状のやりとりがすっかり少なくなった現代は最期のメールが形見代わりとなるのかもしれません。十分に理解できる話です。

しかし、考えてみると携帯電話というものはどんどん技術開発され新しくなっています。故人からのメールを着信していた機種をずっと使い続けていられる保証はありません。現に時代は携帯電話からスマートフォンに移ろうとしています。
むろんメールを最新の機器に移し替えることは可能でしょうが、それだと単にデータの複製にすぎず、彼岸と此岸との結びつきがなくなってしまうような気がします。たとえばいくら肉筆の手紙だったとしても、コピー機でプリントアウトしたものを渡されたのではありがたみが失われてしまうのと同じです。

思い出のよすがは時代とともに変わりました。
旅立った人からのメールをかけがえのない唯一無二のものとして保存するにはどうすればいいのか・・・ 情報社会の課題のひとつになっていくような気がします。

大乗寺丘陵公園(金沢市)
近年、つつじの名所として知られるようになった大乗寺丘陵公園は、平成23年に完成した新しい総合公園です。 金沢市街地から日本海までを一望できる園内には、「つつじ園」をはじめ「梅園」「お花見広場」「あじさい園」「つばき園」「紅葉園」などがあり、四季折々の自然を満喫できます。

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