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表紙とコラム Vol.213
白山比咩神社(石川県白山市)
白山比咩神社(石川県白山市)
日本三霊山のひとつ、「白山」を神体山とする白山信仰の総本社である白山比咩神社は、金沢から電車で30分の位置にあり、加賀一の宮として毎年多くの初詣客でにぎわいます。 3柱の御祭神のうち、菊理媛尊(くくりひめのみこと)は、男女の仲をとりもつ神様として、古来より「縁結びの神様」とされています。

今年もはやひと月が過ぎました。アメリカとイランの対立、猛威をふるうコロナウィルスなど暗いニュースが多い中で、大相撲初場所、徳勝龍関の初優勝には多くの人々が感動したのではないでしょうか。

十両と幕内を行ったり来たりで、初場所の番付は幕尻(前頭17枚目)、これといった話題にも上がらず、言葉は悪いのですが華のない力士の一人です。 私もまた彼に関心も期待もなかったのですが、"33才のベテラン、面倒見が良く弱音を吐かない苦労人..."などのアナウンサーの紹介を聞き、次第に応援したい気持ちになりました。

そして千秋楽結びの一番、勢いのある若き大関を寄り切って優勝を決め、吠えるようにうなずいた後、満員御礼の観客の前で号泣しました。 土俵上での過度なパフォーマンスを良しとしない世界であり、また"男は人前で涙を見せてはいけない"などと言いますが、そんなことどうでもいい、私もいつの間にかもらい泣きです。

上位陣との対戦が少ない平幕優勝、ましてや二横綱不在での優勝をあまり評価しない声もあります。 「自分なんかが優勝していいんでしょうか」、謙遜の言葉の片隅に、多少の後ろめたさもあったのかもしれません。 しかし「結びの一番の大関戦、あの相撲内容を見れば納得の優勝だと思います」と切り返した小林アナの素晴らしい言葉がそんな評価を一蹴しました。私も大いに賛同です。

優勝できそうもなければ次に備え休場する横綱に比べ、たとえ技量やスター性が物足りなくとも地道に取り組んできた力士が報われた姿に、万雷の拍手を送りたいと思います。

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