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表紙とコラム Vol.170
白山高山植物園(石川県白山市)

「スタンドに一斉に傘の花が咲きました!」
全国的に梅雨のさなか・・・ ついに降り出した雨の様をプロ野球中継の実況アナが歯切れよく伝えていました。雨粒をしたたらせるカラフルな傘の群れを「花」と言い表す日本語を私は美しいと感じます。

ただしそんな風情ある「傘の花」もいきなり他人の顔の前で開くのは危険な行為です。
今はほとんど死語と化していますが、まだ馬を使って移動していた時代には「傘驚き」という言葉があったと言います。 これは通行人が突然開いた傘に馬がびっくりして飛び跳ねたりいなないたりする光景のことを指したらしいのですが、往時はこのような表現で傘の扱い方に警鐘を鳴らしていたのでしょう。

ところで現代でも「傘驚き」のような場面は少なくありません。
電車やバスの中で、脇に立ててあった傘が倒れて思いのほか大きな音をたてるとか、クルクルっと回した傘から水滴がはねるとかはいずれも眉をひそめたくなるような瞬間です。

傘を手にしてどう振る舞うかは昔も今も雨の日のたしなみと言えます。うっとうしい長雨の時期を気持ちよく過ごすためにも傘のマナーには気を配りたいものです。

白山高山植物園(石川県白山市)
白山高山植物園は、白山に登らなければ見ることができない植物を期間限定ですが、白山より一足先に観察できる施設です。
標高800mにある試験地では高山植物を低地で栽培する試験に取り組んでいます。
毎年6月上旬〜7月上旬の約1ヶ月間だけ一般公開されニッコウキスゲやキリンソウ、ハクサンフロウなどが咲き乱れます。


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