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表紙とコラム Vol.146
刈込池(福井県大野市)

群馬県の富岡製糸場が世界遺産に決まったというニュースを聞き、不意にカイコの幼虫をクラスで育てた小学生時代の記憶が甦ってきました。完全変態を目の当たりにできるカイコは理科の生き物観察の題材として絶好ですが、エサになる桑の葉が当時はまだ豊富にあったというのも好都合だったのでしょう。
当番が近くの桑畑から運んでくるエサを彼らはワサワサと言わせてかみ砕き、たちどころに平らげていくのでした。どこか郷愁を誘う素朴な音だったと思います。
「またカイコを飼ってみたいな」
富岡製糸場の吉報を耳にし、そんなことを少し考えました。あのワサワサという音とともに、人の役に立つ生き物の面倒をみているという充実感を味わってみたいと思ったのです。

試しにネットで調べてみると「カイコの飼育セット」なるものが通信販売されていることがわかりました。カイコの幼虫と飼育箱、それにまぶしと呼ばれる繭を作る巣のようなものがセットになっているのですが、驚いたのはエサがチューブ入りだったことです。ペースト状のエサを食べて、はたして彼らは真っ白な絹糸を元気に吐き出せるのでしょうか。

音も立てずにカイコがエサを食べる現代、養蚕ははるか昔の話になりました。
世界遺産となった富岡製糸場には養蚕教育機関の跡もあるということですが、そこには殖産興業を旗印にカイコを皆でかいがいしく育てた時代の名残がありそうです。

宮島峡(富山県小矢部市)
小矢部川の支流、子撫川沿いの清流・宮島峡は、上流の子撫川ダムまでの間に「一の滝」「二の滝」「竜宮淵」などのみどころが続きます。清流には12体のビーナス像もあります。一の滝と二の滝の間には宮島温泉もあり、ゆっくり自然を満喫できます。

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