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表紙とコラム Vol.105
輪島の朝市(輪島市)

新年に届いた賀状には「ウサギにあやかって飛躍の年に」、「ウサギのようにホップ・ステップ・ジャンプ」などと干支のウサギの引用がたくさんありました。
ところでそんな年明けからひっぱりだこのウサギですが、私は少し気になったことがありました。ウサギを「1羽、2羽・・」と数える人が思いの外少ないのです。マスコミも含めほとんどの人が「1匹、2匹・・」と数えていました。数え方の単位を助数詞といいますが、私が子供の頃はウサギの助数詞を「匹」にしようものならすぐにたしなめられたものです。

調べてみるとウサギの数え方が鳥と同じように「1羽、2羽・・」となったのは、陸上動物の食肉が禁じられていた時代に長い耳を羽根にたとえ「動物ではなく鳥だから食べてよい」と主張したからだということがわかりました。このようなエピソードを知るにつけ、日本語の助数詞は出来るだけ大切にしていきたいと感じます。
けれどもウサギの例に限らず、近年日本語の助数詞は極端に種類が少なくなっているのが実情です。動物なら「匹」、物の場合は「個」で片付けてしまうことがほとんどです。

そうやって助数詞が簡略化される中、私が危惧していることがあります。
最近、ペットのイヌやネコのことを「この子」と表現する人が増えました。このままいくとペットの助数詞が「人」になってしまう可能性だってあるのではないでしょうか。
「もう2人連れて行くから・・」と言われ待っていたら、2頭のイヌがやってきたということが現実に起こるかもしれません。
やはり日本語の助数詞が貧困になってしまうのはまずいと思います。

輪島の朝市(輪島市)
能登観光の人気スポットのひとつ、輪島の朝市は1000年以上の歴史があります。「買うてくだぁー」の呼び声が飛び交う通りには、魚介類や野菜の他にも輪島塗やみやげものもあります。8月以外は第2、4水曜日がお休みですのでご注意を。

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