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表紙とコラム Vol.66
加佐の岬(加賀市)

冷たい風が沁みるようになってきました。 クローゼットからコートを引っ張り出さなければならない日も近いことでしょう。 コートといえば、まだ学生だった頃、父親から「外套(がいとう)を着たらどうだ」と声を掛けられたことを思い出します。 「外套とは何と古いことを言うのか」などと呆れたものですが、今となってはそんなやりとりが冬の始まりに似つかわしかったような気がします。

衣類の古い呼び名に風情を感じるのは私だけでしょうか。 たとえば「えりまき」・・・ マフラーにはない奥ゆかしさを感じます。 また年配の人はベストのことを「チョッキ」と言うことがありますが、この言葉からはおばあさんが孫のためにせっせと編み物をしているような優しい光景が浮かんできます。

そういえば先日、私の周りの何人かがタートルで登場するという偶然がありました。そのとき私が何気なく「昔の人はタートルのことをとっくりと呼んだよね」などと言ったのですが、すると若い女性スタッフが「とっくりの方があったかい感じがしますね」と反応したのです。

死語と化したファッション用語を古臭くセンスがないと一笑に付す人もいますが、新鮮な季節感として受け止めようとする人もいます。 後者がきっと暮らしに潤いを与えてくれる人たちなのでしょう。

加佐の岬(加賀市)
ズワイガニの水揚げでも知られる、加賀市橋立にある「加佐の岬」は、 加賀海岸に突き出た断崖に、黒松の防風林と白亜の灯台のコントラストが美しい岬です。 無料駐車場から遊歩道が続いており、日本海の絶景を眺める事ができます。

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