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表紙とコラム Vol.55
兼六園 唐崎松(金沢市)

今年も年賀状の文面に頭を悩ます時期となりました。
毎年心を込めた文章を届けようと努めるのですが、そうなると妙に気負ってしまって思うように筆が進んでくれないのです。

ところで年賀状といえば、ついつい遣ってしまう言い回しが実は誤りだというケースが少なくありません。
たとえばよく見かける「新年明けましておめでとうございます」がそうです。
「新年」と「明ける」というのは同じような意味を持った言葉なので、この2つが並ぶと「新しい年が明ける」、つまり早くも翌年がやってきたことになってしまうのです。

また「元旦」を元日の午後になってもまだ遣おうとするのも感心しません。たしかに辞書によっては「1月1日のこと」という解説が併記されているものもありますが、正しくは元日の朝を示しています。そもそも「旦」は夜明けや朝を意味する漢字なのです。

一方、誤用ではありませんが、おめでたい正月は忌み言葉を避けなければなりません。 代表的なのが「去年」という言葉・・ これは「去る」を連想させるので「昨年」や「旧年」と改める必要があるのです。

うーん、年賀の挨拶というのは何と難しいのでしょう。 ただでさえはかどらない私の年賀状書きがますます遅れてしまいそうです。

兼六園 唐崎松(金沢市)
金沢を代表する観光地、兼六園の中にある「唐崎松(からさきのまつ)」は加賀13代藩主前田斉泰(なりやす)が植えたもので、兼六園のもう一つの銘木「根上松(ねあがりのまつ)」と並び樹齢200年を越えています。 11月初旬から名物の「雪吊り」も施され、他の季節と一味違う兼六園を演出しています。

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