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表紙とコラム Vol.54
金沢市民芸術村(金沢市)

最近、新聞や雑誌の広告などを見ていて妙な違和感を覚えることがあります。
たとえば何人かのモデルが並んでいるような写真に、色調の濃淡が若干あったり視線や表情がぎこちなかったりするのです。 おそらく隣り合わせになっているモデルたちは別々に撮影され、後で合成されたのでしょう。

写真も技術が進み、プロの作業であれば一見しただけではトリックがわからなくなりました。 以前なら無理をして撮影スケジュールを合わせたものが今なら別撮りで十分、またその方が安上がりだったりするのかもしれません。

タレントやスポーツ選手ともなると肖像権に対する考え方がシビアで、近年は予め自前で撮影したものを有料でデータ配信するケースが増えているそうです。

ただ、便利そうにみえて、こうしたシステムに問題がないわけではありません。 一枚一枚を比べた場合、光の当て方などがデリケートな部分で異なり、けっきょく加工に要する労力が増えてしまうというのです。

高性能のデジカメなども普及して、個人がデータを持ち寄りパソコンに撮り込んで合成していくやり方は今後ますます広がっていくことでしょう。
でもどんなに画像処理をしたとしても、バラバラの写真からは集合写真の持つ統一感は生まれないのです。

金沢市民芸術村(金沢市)
金沢市民芸術村は、芸術文化の創造と、その成果の発表の場として開設されました。 紡績工場倉庫を改修整備したこの施設はレンガ造りの建物が並んでいます。 年中無休、24時間いつでも自由に利用できる芸術空間として、金沢の芸術の発信地として多くの市民に親しまれています。

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