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表紙とコラム Vol.51
石川県能登島ガラス美術館(七尾市)

地上デジタルの波がテレビの受像機を大きく変えようとしています。
ある大手家電メーカーがブラウン管テレビの販売を今年で終了すると発表したのは今春でした。 薄型液晶テレビ全盛のデジタル特需の中、もはや厚みがあって場所を取るブラウン管テレビは時代遅れということなのでしょう。

たしかに私も電気店に行けば40インチ以上もあるような薄型テレビには目移りしてしまうのですが、その一方で生まれたときから慣れ親しんだブラウン管テレビが世の中から姿を消そうとしている状況には一抹の寂しさを感じてしまいます。

そもそもブラウン管は長い間テレビそのものの代名詞で「ブラウン管をにぎわす」とか「ブラウン管のヒーロー」などという言い回しをよく耳にしたものです。
おそらくテレビ草創期、映画の「スクリーン」に対抗する形でそのような表現が生まれたのだと思いますが、次々と新しいスターや商品を生み出していったブラウン管テレビは他の何よりも娯楽の王様でした。
それだけにブラウン管テレビの気持ちになってみれば、見るからに軽薄そうな液晶テレビに取って代わられるのはさぞかし無念なことでしょう。

あらためて地上デジタルという技術革新の影響の大きさを感じてしまいます。
ただ話題の薄型液晶テレビがブラウン管テレビのように一時代を築けるかどうかというと、意外に短命に終わるような気がしないでもありません。
それほどに人間の欲望を満たす進化のスピードは加速し予測がつかなくなっているのです。

石川県能登島ガラス美術館(七尾市)
能登島にある石川県能登島ガラス美術館は、ガラス専門の美術館です。世界各国のガラス造形を楽しむ事ができます。 小高い丘の上に建てられた奇抜な形の建物では、さまざまな企画展やガラスを身近に楽しめるワークショップが開催されます。 ラグビーボール型の建物はガラス製品のショップ&カフェです。海を眺めながらティータイムを楽しめます。

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