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表紙とコラム Vol.48
巌門(志賀町)

最近、ノド飴を常備している人が増えたように感じます。 先日もある会合で2、3度咳き込んだ私に隣り合わせた人がさりげなくノド飴を出してくれました。

それにしてもこんなにノド飴が人気になる前は、飴というと砂糖の塊のように甘いものが主流で清涼感を誘うようなミント系はごく少数でした。 まだペパーミントとよりハッカという呼び方の方が一般的だった時代です。

今はどうなのかわかりませんが、かつてフルーツキャンディ缶にはオレンジやグレープなどに混じって必ず何粒かのハッカが入っていました。 幼い頃の私は香りが強く辛いハッカが苦手で、運悪く出てきた場合は近くにいる大人になめてもらったものでした。 以前のハッカには子供が手におえない大人の味覚というイメージがありました。
ちなみにハッカは漢字で書くと「薄荷」・・・ 人生の荒波から身を引いた下町あたりの男が息抜きで口にする嗜好品という風情がなくもありません。
そんなハッカに比べるとペパーミントはいかにも軽やかでキャッチーな響きです。

今や誰もが必需品のように持ち歩くノド飴も、ハッカがペパーミントにならなければ一部の大人たちだけの楽しみにすぎなかったかもしれません。
むろん風味の改良が大きいのでしょうが、ヒット商品となった背景にはちょっとした言い換えの妙も関係しているような気がします。

巌門(志賀町)
能登金剛と呼ばれる、日本海の荒波が創り出した景勝地の中心に位置する「巌門」。 侵食でできた洞門を遊覧船でくぐる事もできます。 近くには松本清張の小説『ゼロの焦点』の舞台となった「ヤセの断崖」や、日本最古の木造灯台「旧福浦灯台」、カルスト地形の「関野鼻」などもあり、能登をめぐるドライブには欠かせないコースとなっています。

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