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表紙とコラム Vol.47
見附島(珠洲市)

高校も大学も合格者を受験番号で発表するのが当たり前になりました。 そしてそんな数字だけが並んだ掲示板を受験生が携帯電話を使って撮影する風景もここ数年ですっかり定着した感があります。

よく見ると彼らが手にしている携帯はどれもぴかぴか、おそらく気の早い合格祝いなのでしょう。 番号の撮影には、合格の確認や家族への報告といった意味とともに買ったばかりの携帯を手当たり次第に使ってみたいという心理が働いているのかもしれません。

あれは私たちが高校に上がるとき、腕時計を手にした感覚に近いのではと感じます。 初めて腕時計をはめると、ほとんどの若者は有頂天になり用もないのにアラームやストップウォッチ機能を試したものでした。 そんな数十年前の光景が新品の携帯片手に嬉嬉としている今の若者たちと重なります。

けれども、そのことをある場所で話したところ、受験生の父親だと名乗る男性が一言、
「腕時計は買ったらそれまでだけど、携帯は買った後も金がかかるからなぁ」

大人の階段を上がるアイテムはずいぶん様変わりしてしまったようです。

見附島(珠洲市)
昔、弘法大師が布教のため、佐渡から能登へ渡る際に最初に「目に付いた島」ということが名前の由来になったと伝えられる、能登を代表する観光名所です。 引潮の時は島の下まで歩いていく事が出来ます。 近くの「恋路海岸」までの海岸線は『えんむすビーチ』と呼ばれ、 「恋路海岸」には写真の「鐘」と対になる「鐘」があります。

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